「筑前戦国争乱」福岡市を中心とした筑前の戦国時代を知る入門書【レビュー】

戦乱の時代って面白いんだよね。当事者は平和が一番だけど、見ている者にとっては変化のない時代であって、つまらない時代なんです。やっぱ人と人が争い、奪い合い殺し合う極限の中で新しいドラマがが次々と生み出されてくる。戦争って見ている分には最高に楽しいんですよね。

筑前戦国争乱

筑前国、今でいう福岡市を中心としたエリアで大宰府とか大野城とか那珂川とか糸島とか、そのへんも入るんですけども。拙者が今住んでいる場所なので郷土といってもいいのか、生まれ育ちは大阪だけど、気持ちはすっかり福岡市民なので。という、筑前の戦国時代をザザッと一冊で網羅した本がコレ、筑前戦国争乱です。

とりあえずこの本の良い所は、筑前における戦国の始まりから終わりまでの大きな流れが時系列でしっかり網羅されている事なんですよね。

九州三国時代の移り変わり

まず初めに起こるのが九州北部の名門守護大名である少弐、そして豊後大分の大友、そこへ幕府が首を突っ込んで来て本州から周防山口の大友がやって来る。初期の九州三国時代です。

大内と少弐の仁義なき戦い、互いに大将が戦場の露と消えたりもします。そこへ絡んでくる大友なんだけれども、やはり中央での活躍と貿易などで圧倒的な力を持つ大内が強すぎて、少弐と大友が大内と戦いながらも若干押され気味という構図になっていくんですね。

例えるなら、大内が曹操で大友が孫権、少弐が関羽と張飛と諸葛亮のいない劉備みたいなものでしょうか。

やがて大内が陶晴賢の謀反によって滅びると、今度は毛利がやってきて大友と仁義なき戦いを始めるわけです。少弐は龍造寺に滅ぼされ、龍造寺は大友と距離を置きながら大内、毛利と結び勢力を拡大。やがて毛利が引っ込んで南から島津がやってきます。

ここで有名な大友、島津、龍造寺の九州三国時代になります。

やがて大友が島津に大敗し、その隙をついて龍造寺が急成長。だけど島津にやっつけられて、いよいよ島津の天下かと思ったらヒデヨシ降臨!! で、ぶっ壊されます。そして豊臣による支配体制へと移行してき、それをベースにして江戸時代となり戦国ターンは終了するのです。

全体像を掴むことができる

この本で書かれているのは戦国時代における、筑前の全体的な動き。大友、少弐、大内、毛利、秋月、龍造寺、島津、松浦党などといった戦国時代に筑前で活躍したプレイヤーそれぞれがどのように筑前に関わったのか、筑前で戦われた大きな合戦などを紹介しながら分かりやすく説明してくれています。城も沢山出て来ますよ。

なので筑前国の戦国時代に興味を持ち、例えば郷土史を調べたいと思うなら、まずはこの本で全体の流れや各勢力の事を知ったほうが良いかもしれないですね。全体を知ってから、局部へと絞り込む。古戦場や城跡を巡る人も基礎知識として呼んでおくと良いかもしれない。そのうえで、細かく掘り下げる事で非常に理解がしやすくなるというか、物事の流れを理解しやすくしてくれると思う。

まあとにかく、福岡の戦国時代ってどげなことになっとったんか!? と疑問に思ったら、入門編として読むには最適。この本の中で気になる事があったなら、そこから更に詳しい書物を探すと良いかもしれない。つまり、いわゆる、ガイド本? 的な使い方が出来ると思う。

海鳥社 278ページ

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